木の上のモコモコのかたまりはヤドリギ!不思議な生態や花言葉も

自然の話
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秋から冬になると木々の葉が落ち、枝だけになっていますよね。

そんな季節に木を見上げるとモコモコとした枝のかたまりのようなものを見たことはないでしょうか?

 

一見すると鳥の巣のようにもみえるこれ。

実は「ヤドリギ」という生物なのです。

 

このヤドリギ、謎も多く、一般にあまり知られていないことが多いのです。

今日はこのヤドリギについて調査してみました。

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ヤドリギはどんな生物?

ヤドリギ

  • 科名:ビャクダン科(※ヤドリギ科とされることも)ヤドリギ属
  • 分類:半寄生常緑低木
  • 学名:Viscum aibum
  • 英名:Mistletoe 

 

ヤドリギは冬になるとその神秘的な姿から注目を浴びますが、夏も存在しています。夏は宿主の樹木が葉を茂らせているせいもあって、気づかれにくいようです。冬に周りの樹が落葉したときにその姿を現します。ゲレンデで見たことはないでしょうか。雪山で宙に浮くように丸くグリーンの塊が見えるのは圧巻です。

出典・LOVEGREEN

 

ヤドリギは漢字で書くと宿り木です。

その名前があらわす通り、樹木の上の方に丸く鳥の巣のような形状で寄生する植物です。

正確には半寄生植物で、半分は寄生した植物から水分と栄養を貰い半分は自分で光合成して賄っています。

 

ヤドリギはユーラシア大陸にの温帯に広く分布し、いくつかの亜種に分けられます。

日本で見られるのは淡黄色の実がなる東アジア亜種と呼ばれるものです。

 

科名:ビャクダン科(※ヤドリギ科とされることもある)ヤドリギ属  分類:半寄生灌木  学名:Viscum aibum  英名:Mistletoe     樹木の上の方に丸く鳥の巣のような形状で寄生する植物です。正確には半寄生植物。簡単に言うと、「半分くらいは宿主となった樹木から水分とか養分とかもらうけど、残り半分くらいは自分でも光合成を頑張るよ」という植物です。

出典・LOVEGREEN

 

東アジア亜種のヤドリギは本州中部以南の平野部ではケヤキ、エノキ、サクラなどによく寄生します。

北日本の山地などではナラ、ブナ、シラカバ、ナナカマドなどに寄生します。

 

これらは代表的な例ですが、その他にも多くの落葉広葉樹に寄生することがあります。

また、時には松などの常緑樹に寄生することもあります。

 

通常、一本の木に対して数~十数個体のヤドリギが寄生します。

大きいものでは直径1メートルになるものもあるそうです。

 

ヤドリギに似ているもの

ヤドリギに似ているものとして、カラスの巣があります。

カラスの巣も木の高いところに、枝のかたまりのように作られます。

 

カラスの巣とヤドリギの違いは出来る場所です。

カラスの巣は必ず、木の枝と枝のまたのところに作られます。

しかし、ヤドリギは枝の途中に唐突に作られます。

 

ヤドリギはどうやって木に寄生する?

寄生先となる樹木についたヤドリギの種は、木の枝で発芽し、胚軸(はいじく)とよばれる根っこを伸ばします。

その先は吸盤状になっており、その部分から寄生根を伸ばし、寄生先の樹皮の下に侵入させます。

この寄生根をとおして寄生先の樹木の養分や水分を奪い、成長します。

 

ヤドリギは雌雄別株で、雌株のみに直径7センチほどの実をつけます。

この実を小鳥たちが食べるのですが、消化されずに種のまま残るのです。

また、この実を小鳥がフンとして出すときにねばねばとした成分が出ます。

それより、うまく木にくっつき、樹木に寄生しやすいようになっています。

 

また、ヤドリギの種は土の上では発芽しないようになっています。

上手く木の上にくっつくように工夫して進化しているのですね。

 

ヤドリギを好んで食べる鳥は冬鳥として渡来するレンジャクの仲間ヒヨドリ等です。

 

ヤドリギの花言葉や逸話

ヤドリギの花言葉

ヤドリギの花言葉「困難に打ち勝つ」「忍耐」です。

高い木の枝から落ちないところからつけられたのでしょう。

 

ヤドリギの逸話①クリスマスの伝説

ヤドリギは昔からヨーロッパでは永遠を象徴する神聖な樹とされています。

 

クリスマスツリーにヤドリギの枝が飾る習慣がありました。

 

ヤドリギにまつわる逸話の中でも特に有名なのが、「ヤドリギの下に立っている女の子にはキスをしてもいい」というものです。

これはヨーロッパに古くから伝わるものです。

クリスマスパーティーの夜にヤドリギの枝の下に立って、意中の男性が現れるのを待つというロマンティックな逸話なのです。

 

ヤドリギの逸話②永遠の命の象徴

秋から冬の枝に葉のない季節に育つヤドリギ。

冬、落葉樹たちが葉を落とし辺りが真白な雪景色になった頃、空の青と雪の白だけの色彩の少ない世界となってもヤドリギの緑だけは輝いています

色を無くした世界で冬の間も緑を絶やさないヤドリギは、生命力と永遠の命を象徴する植物とされています。

寒さの中でも変わらず、樹の上の方に鎮座しているグリーンの球体のヤドリギは、神秘的な命の輝きを思い起こさせますね

ここではヤドリギの驚きの繁殖方法についてご紹介します。    宿探しは鳥任せ ヤドリギの果実は固い果皮に包まれていて、中の果肉がねちょねちょとしています。それを食べた鳥は、フンがねちょねちょとお尻から離れず気持ちが悪いので、お尻を樹の枝にこすりつけてフンを取ろうとします。この時にヤドリギの種もフンと一緒に樹の枝に付着し、無事に宿主を見つけて発芽に至るという仕組みです。    寄生植物は繁殖方法として、胞子や種子を風に乗せて飛ばすものが多いのですが、ヤドリギは完全に鳥任せです。鳥もヤドリギの果実を食べたお礼に種子を運んであげているという仕組みです。

出典・LOVEGREEN

ヤドリギは家でも育てられる?

先述のように、ヤドリギの種は土に落ちると発芽しません

家の樹木にうまく種をつけて発芽すれば育てることが出来ますが、なかなか難しく一般的ではありません。

 

また、自力で水を吸い上げる力が弱いので、切ってしまうとすぐに乾燥しばらばらになってしまいます

 

ドライフラワーにしようとすると、こちらも実も枝もバラバラになってしまい、形を維持することが困難です。

 

あくまでも、木の上にあるのを見上げるもののようです。

ヤドリギまとめ

ヤドリギは秋~冬に落葉樹の葉が落ちた時によく見られる半寄生植物です。

落葉樹で見られることが多いですが、時には常緑樹に寄生することもあります。

種を運ぶのはレンジャクなどの鳥たちです。

花言葉は「困難に打ち勝つ」「忍耐」

切り花やドライフラワーにすると乾燥してしまい形を維持できません

 

不思議な植物・ヤドリギ。

一度木を見上げて探してみては。

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