大きな地震の前に予兆があったという話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
例えば、地震雲と呼ばれる見慣れない雲が発生した、動物が通常とは違う異常行動をした、等といったものです。
このような自然現象に見られる地震の予兆は本当にあるのでしょうか。
日本は地震列島とも呼ばれ、いつどこで地震が起きてもおかしくありません。
地震の予兆である自然現象が本当にあるのならば、知っておきたいですよね。
今日は地震の予兆の自然現象は本当にあるのか、具体的な現象について調査してみました。
地震の予兆の自然現象は本当にあるの?
地震が発生するメカニズムと、地震予知・地震の予兆に関しては全く別の物であるため、科学的には実証できないのです。
しかし、大きな地震の前には通常の生活では起きないような様々な自然現象や動物の異常行動があったことが報告されています。
例えば2011年3月11日に起きた東日本大震災の時には
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陸前高田市では震災の約1ヶ月前から、朝夕にカラスの群れが空を覆っていたが、震災の数日前から突然姿を消した。
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3月4日夜、茨城県鹿嶋市でクジラ50頭が浜に打ち上げられた
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3月11日の朝、宮城県塩釜市の神社では、いつもはサビなどで赤褐色に濁っている鉄製の「神釜」の水が普段と異なり澄んでいた。
(出典:毎日新聞掲載記事)
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3月11日の深夜、宮城県石巻市湊地区の公園でカラス50羽ほどが騒いでいた。
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3月11日の午前10時ごろ、宮城県石巻市湊地区でトンビが数十羽騒ぎながら飛んでいた。
(出典:読売新聞掲載記事)
といったような現象が起きていると報告されています。
また、電通大の研究グループは、東日本大震災発生の5〜6日前には太平洋上の電離層の異常を観測したと発表しています。
期間は3月5日〜6日にかけて。調布、春日井(愛知県)、高知の3カ所の受信局で、電波の夜間の平均振幅が極端に低くなるという「明瞭な前兆」が現れたと話しています。
地震の前兆については多くの地質学者が懐疑的な見方を示す一方で、同大学の早川正士名誉教授は「地震のメカニズム研究と地震予知は全くの別物」と反論しており、独自の方法で予知の実現を目指し研究に取り組んでいます。
(出典:日本経済新聞 掲載記事)
このような報告があっても、地震発生のメカニズムと結びつけることは難しいため、多くの地震研究者たちは地震予知、地震予兆に関しては懐疑的な姿勢を見せています。
しかし、これ以外にも地震の前には予兆ともとることが出来る自然現象や動物の異常行動が見られたという報告が世界中であります。
その代表的なものを紹介します。
地震の予兆の自然現象?①地震雲
地震の前によく聞かれるのが「地震の前に変わった形の雲が現れた」という、いわゆる地震雲の発生です。
2月13日の夜🌉の地震の前日に見た事ない雲☁️にビックリしました😱地震雲だったのでしょうか? pic.twitter.com/NWrQqRlxNT
— ひでりん (@gSig2wgyIqLLyu1) February 16, 2021
よく地震雲だと言われるのが飛行機雲、波状雲、ロール雲(レンズ雲やつるし雲も含まれる)、日暈です。
しかし、実際にはこれらの雲は地震とは関係ありません。
この地震雲に関しては気象庁のホームページでも説明されていますし、多くの気象学者が否定しています。
「地震雲」を不安に思われる方が多くいらっしゃるようですが,雲は地震の前兆にはなりません.巷で「地震雲」と呼ばれることの多い雲は全て気象学で説明できる子たちで,雲の見た目から地震の影響等を判断するのは不可能です.雲は愛でつつ,地震には日頃から備えましょう.https://t.co/7zvUlnswZT pic.twitter.com/gWagnznUAx
— 荒木健太郎 (@arakencloud) February 14, 2021
地震の発生と雲の発生は全く関連性がないのです。
変わった雲を見かけると、いつもと違うことが起こるのではないかという恐怖への心理が働き、それがめったに起こらないもの=未曽有の災害と結びついてしまうのです。
地震の予兆の自然現象?②動物の異常行動
先述の通り、東日本大震災の時にも、動物の異常行動は発生しています。
先日2021年2月13日に東北地方を震源に震度6強の地震が起こった前にも、ボラの大群が遡上したというニュースがありました。
それ以外の地震でも、ハマグリの大量打ち上げや深海魚が打ちあがる、また犬が落ち着かずずっとそわそわしているなどの報告があります。
そう言えば、木曜の夜中12時ごろにカラスが鳴いてたんだけど、アレが地震の予兆だったのかな。雲は信じないけど、動物の異常な行動は信じる派。
— okazon (@BeevoxOkazon) February 14, 2021
これらも地震発生のメカニズムからは説明が出来ないものではありますが、地震の前に何らかの電磁波の変化が起こり、それを動物たちが察知し、異常行動を起こしているのではないかという見方の研究者も多くいます。
動物たちは人間よりも様々な面で感覚が優れています。
人間には感じ取れないようなわずかな自然の変化もキャッチし、その結果異常行動ととれるような現象を引き起こしている可能性があります。
動物がいつもと違う動きをしたら、それが全て地震の予兆という訳ではありません。
ですが、何らかの自然の変化を受け取っている可能性はあるのかもしれませんね。
まとめ
地震の予兆と考えられる自然現象は地震発生のメカニズムとは異なるため、研究者でも科学的な証明をすることはできないとされています。
地震雲に関しては、多くの研究者たちが、地震と雲の発生には因果関係がないという結果を報告しています。
動物の異常行動に関しては、多くの研究者がまだ調査中であり、はっきりと明言しているものはありません。
しかし、人間よりも優れた感覚を持っている自然界の動物たちは、電磁波の変化などを察知している可能性があります。
我々にまずできることはいざという時への備えです。
まずは非常時への備えをしっかりしておきましょう。
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